STORY<制限と開放>

この世界は制限のある物質界。
限られた時間の流れの中で、人は経験と感動を重ねながら歩んで行きます。

自由になりたくて、自分を表現したくて、愛されたくて、音楽を始めました。
理想と現実の波にもがき挫折を繰り返し、それでも自分の求める音を探し続けて来ました。
当初、思い描いた世界とは違いましたが、自由に好き勝手に生き、それでも多くの人に守られ愛されたお陰で、今も音楽を探求し表現できる環境にあります。
全ての繋がりとその出来事に感謝の気持ちでいっぱいです。

実は、20年以上抱えている病気がここ数年で加速し、身体中の関節が変形して動かなくなって来ました。
365日、続く痛みと怠さの連続に、徐々に動かなくなる手足、日常生活は勿論のこと、楽器も弾けなくなる不安と恐怖から大きな絶望感に襲われます。
あらゆる方向から治療に向き合い続けた20年でしたが、今の西洋、東洋医学、エネルギー、霊的な診断も含め、難しい病と判断せざる終えませんでした。

何故こんな辛い目に合わなければならないのか‥と悲しく悔しく思うこともありましたが、この病と自分と向き合い続けた今、強い意志で自分が制限設定して選んでいるということに気づいたのです。

自由とは、愛とは、その真逆にあるものを知ることでより深く感じます。
自分のこの身体を通した苦痛と絶望感、あらゆる制限を感じる今だからこそ、真の自由、開放を感じる音に出会えたと感じます。
これこそが、自分の音楽人生において探し続けて来たものでした。
それは制限ある物質世界から解き放たれる陰陽、両極の融合からなる宇宙の音であり、自由自在に生きる球体意識へ導いてくれます。
この音楽を奏でる為に今があり、全てが、ここに行き着く為の大きな流れであったと感じています。

あとどのくらいの時間が残されているのか分かりませんが、制限を超える自身の音楽道を貫いて生きたいと思います。